« 『風味さんじゅうまる』 | トップページ | 『ふしぎ駄菓子屋銭天堂2』 »

2014年10月14日 (火)

『鹿の王』(上・下)

(作:上橋菜穂子  刊:角川書店(2014))

 
(上巻 「生き残った者」)
  戦いに負け、奴隷として岩塩鉱で働かされていたヴァンは、ある夜不思議な犬たちの襲撃に遭い、噛まれたものの、岩塩鉱を逃げ出す。同じように襲撃を生き延びた幼女を拾い、ユナと名付けて育てる。ひっそりと平穏に生き延びようとするヴァンだが、体内に奇妙な力が蠢いているのを感じ、悩まされる。一方、国内でも様々な勢力がそれぞれの思惑で陰謀を巡らしていた。そんななか、医術師のホッサルは、かつて自分の故国を滅ぼした病が、感染を広げていることに気づき、治療の手立てを探るが、彼もまた、陰謀の渦に巻き込まれていく……
 ヴァンの物語に引き込まれる反面、ホッサルのパートになると、なんだかこちらの世界に引き戻されてしまうところがあって、今一つのめり込みきれないところも。女性キャラクターは魅力的。
 (下巻「還って行く者」)
  明らかになっていくかに見えた陰謀は、もっと深く、もっと多くの思惑に乱されていた。鹿の王の意味。ヴァンが、そして、新たな犬の王が選んだ道は。
 この先を語りようがなかったのか、読み手それぞれに任せたかったのか。なんだか、投げ出されたような気分が残る幕切れでした。人の世のある限り、物語は続くとも言えるのですが。(2014.10.14)
 

|

« 『風味さんじゅうまる』 | トップページ | 『ふしぎ駄菓子屋銭天堂2』 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『鹿の王』(上・下):

« 『風味さんじゅうまる』 | トップページ | 『ふしぎ駄菓子屋銭天堂2』 »