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2014年6月28日 (土)

『時をつなぐおもちゃの犬』

(作:マイケル・モーパーゴ  絵:マイケル・フォアマン  訳:杉田七重  刊:あかね書房(2013))
 
 イギリス人の女の子チャーリーは、どうしてママが古い木の犬のおもちゃ、「リトル・マンフレート」を大切にしているのか、不思議でした。ある日、チャーリーは偶然出会ったイギリス人とドイツ人の二人連れから、その秘密を教わることに……。
 チャーリーが出会った二人は、海での戦いで沈没させられた戦艦に乗っていたドイツ兵と、沈没させた戦艦に乗っていて、ドイツ兵を救ったイギリス兵だった。殺し合いを生き延びた二人は、チャーリーに戦争の悲劇と友情の記憶を語る。リトル・マンフレートがチャーリーのママに贈られたいきさつを。
 戦争とは人を殺すこと。その中で、精一杯人間らしく生きようとしている人がいる。優しい語り口で、戦争を経験した人の思いを、静かに伝えます。声高に主張するのではなく、自分に起きたことを伝えるから、あとはあなたが考えて欲しい、という印象です。2014年の課題図書です。挿絵が多いので、日頃本を読み慣れていない子にはも読みやすいかな。(2014.6.28)
 
★2014年度課題図書(小学校高学年)
 

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2014年6月23日 (月)

『ちきゅうがウンチだらけにならないわけ』

(著者:松岡たつひで  刊:福音館書店(2013))
 
 地球上の生き物はみんな、ウンチをします。地面にしたり、木の上から、空から、水の中で。みんながウンチをしているのに、地球がウンチでいっぱいにならないのは、どうしてなのかな?

 ウンチをその一部とする、循環を教える本です。たいていは知っている内容でしたが、ウンチを隠れ蓑にしている生き物のことは知りませんでした。葉っぱの上にウンチだけあって主の姿が見えないのは、飛び立ったのかと思っていましたが、ウンチに隠れていたのかもしれません。(2014.6.20)

 
★2014年度課題図書(小学校中学年)
 

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2014年6月19日 (木)

『どこかいきのバス』

(作:井上よう子  絵:くすはら順子  刊:文研出版(2013))
 おかあさんとケンカして家出したぼくは、ふしぎなバスに出会った。どこへでも連れて行ってくれるバスに乗って、冒険だ!
おもしろいお話ではあるけれど、課題図書としてはいかがなものか……。バスの秘密があれでなかったら、まだよかったんだけど。(2014.6.5)
 
★2014年度課題図書(小学校低学年) 
 
 

 

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2014年6月16日 (月)

『星空ロック』

(作:那須田淳  刊:あすなろ書房(2013))
 
 先行してドイツに行っている両親と合流するため、一人で日本からベルリンまで行くことになる中学二年生のレオ。レオには、ベルリンで果たしたい約束があった。音楽の師であり仲間である通称ケチルの思い人に古いレコードを届けること。その人がいるはずの工房を探すなかで、レオはさまざまなことに出会う。人、過去、歴史。そしてレオは、一歩踏み出す。その一歩は小さな一歩だけれど、確実に未来に続く一歩だ。
 過去を忘れようとする日本、過去と向き合い、忘れまいとするドイツ。その違いが、国際社会での現在の立ち位置の違いになってきているのだろう。在ドイツの作者でなければ書けない物語だと思う。(2014.1.14)
★2014年度課題図書(中学校)
 

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今年の課題図書

めずらしくすでに読んでいる本が二冊も含まれていることもあって、今年は課題図書を読んでみることにしました。

といっても、図書館で借りてですが。

当市の図書館では少しでも多くの利用者に回るように、
というか、つまりは宿題対応で、7〜8月は課題図書に指定された図書は、
一人貸出予約あわせて一冊しか利用できなくなっています。
宿題があるわけではないので様子を見ながら借りることにすると、
いつ読み終わるかわかりませんが。
とりあえずすでに読んでここに感想を上げてあるのが、
『マッチ箱日記』
(文:ポール・フライシュマン 絵:バグラム・イバトゥーリン
 訳:島式子 島玲子  刊:BL出版)……高学年向け
の一冊だけですが、ほかに四冊読み終わっているので、
ぼちぼち感想を上げてみようと思います。

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2014年6月12日 (木)

『ぶたばあちゃん』

(文:マーガレット・ワイルド  絵:ロン・ブルックス  訳:今村葦子  刊:あすなろ書房(1995))
 
 孫むすめと二人きりで暮らしてきたぶたばあちゃんは、そのときが来たのを知る。ぶたばあちゃんが見せてくれた、みごとな幕引きに胸が痛くなる。熱くなる。その生き方を見せてきたから、きっと孫むすめも生きていける。(2014.6.8)

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2014年6月 4日 (水)

『コロボックル絵物語』

(著:有川浩  絵:村上勉  刊:講談社(2014))

初代の指名による正当な後継者によるコロボックルの一作目。後書きに新しいコロボックル物語のおひろめ、とあるように、コロボックルファンに有川浩を、有川ファンにコロボックルを引き合わせるための一冊です。一言で言うと、懐かしかったです。(2014.5.14)

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2014年6月 1日 (日)

『ボタ山であそんだころ』

(作/絵:石川えりこ  刊:福音館書店(2014))
 
 昭和40年頃。筑紫にはまだ炭鉱があって、炭鉱で働く男を父親に持つこどもたちがいた。「わたし」も三年生になって初めての友だちになったけいこちゃんも、お父さんは炭鉱で働いている。けいこちゃんの家は、「わたし」の家より少し生活がたいへんらしい。けいこちゃんとの冒険の日々が終わりを告げたのは、炭鉱の上を何基ものヘリコプターが飛んだ日。けいこちゃんは家に呼び返され、そして学校にはもどってこなかった。
 炭鉱の事故で父を失い、転校していったけいこちゃん。そういう子は、ほかにもいて、そういう時代だった。けいこちゃんからは、新しい生活の様子を綴った手紙が届く。「わたしも元気です」という言葉で物語は終わるけれど、きっと二人の友情は続いたに違いない。そう思えるラストです。(2014.5.29)
 
 

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