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2014年5月26日 (月)

『クグノビックリバコ』

(作:いとうひろし  刊:偕成社(2014))
 
 『クグノタカラバコ』の続きのお話です。
 迷子にならないと辿り着けない『クグノタカラバコ』は、クグという人が集めた、他人にはガラクタにしか見えないけれど、クグにとってはすてきな思い出に繋がる品々を集めた博物館のようなところ。その『クグノタカラバコ』を作ったクグが、行方不明に。クグの代理人(?)に頼まれた「わたし」は、クグを探しに行くことに……。
 今回は、クグが帰れなくなってしまったわけが語られています。クグが何よりも大事にしている思い出が、テーマになっていると言えると思います。まだ『クグノタカラバコ』に帰り着けていないので、まだまだクグ(と「わたし」)の不思議な冒険のお話は続くようです。(2014.5.22)
 
 

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2014年5月23日 (金)

『よにもふしぎな本をたべるおとこのこのはなし』

(作:オリヴァー・ジェファーズ  訳:三辺律子  刊:ソニー・マガジンズ(2007))
 
 考えてみたことはない? 本を食べて中身が覚えられたらいいのに。ちょっとしたうっかりから本を食べることが好きになったヘンリー。食べたことはどんどん頭に入って、このままなら、世界一頭のいいひとになれるかも! でも、そんなにうまくはいかなくて……。
 妙に理屈が通っているような気がして、うんうん、それで、どうなっちゃうの? と、読み進めました。なんとなくヘンリーの切なさが伝わってきて、最後はほっとします。でも、ブロッコリーがこどもに嫌われる野菜とは知らなかったな。(2014.5.19)
 
 

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2014年5月22日 (木)

『ふしぎなトラのトランク』

(文:風木一人  絵:斎藤雨梟  刊:すずき出版(2014))
 町にトラが現れた。トランクを下げて。きちんとした身なりに礼儀正しい態度だけれど、でもやっぱりトラだから、ちょっとこわい。「トラ」のつく単語でしか話さないトラに、みんなうろたえながらもおもてなし。トラは満足しているようだけれど、トラはなにしにきたのだろう……? そういう意味で、かなりふしぎなお話でした。(2014.5.10)
 
 

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2014年5月20日 (火)

『心をビンにとじこめて』

(作:オリヴァー・ジェファーズ  訳:三辺律子  刊:あすなろ書房(2010))
 
 好奇心いっぱいの女の子。いろんなことを見て、知って、感じた。心で。だけど、大好きなおじいちゃんがいなくなってしまったとき、女の子は心をビンに閉じ込めた。だいじな心が傷つかないように。そう、それで心は傷つかなくなった。だけどね……。
 いろいろなことを感じたいのなら、傷つくことも受け入れなくっちゃね。大丈夫、傷ついたって。傷を癒やすすべを、心は知っているから。(2014.5.20)
 
 

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『おふろ』

(作:出久根育  刊:学習研究社(2007))
 
 男の子とスーツに赤いしましま帽のおじさんが、向かい合ってお風呂に入っている。この表紙の訳のわからなさに、図書館で見かけて、思わず借りました。
 かんたんに言っちゃうと、おふろに入った男の子に、次々と不思議が襲いかかるお話です。細かいことを言わずに楽しめ、という世界です。(2014.5.12)
 

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『ネコとクラリネットふき』

(作:岡田淳  刊:クレヨンハウス(1996))
 
 クラリネットふきの家にやってきたネコ。ミルクも飲まず、あじの干物も食べないネコの食べ物は、なんとクラリネットの音楽だった。クラリネットを効くたび、ネコはどんどん大きくなって……。
 想像の翼を広げて飛んでいくための本ですね。いいなあ、ネコ。どこまでも大きくなるようだと、困るけど。(2014.5.19)
 
 

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2014年5月15日 (木)

『妖怪の日本地図』

(文:千葉幹夫/粕谷亮美  絵:石井勉  刊:大月書店(2012))
 全国を六つに分けて、その地域に住む妖怪を紹介した全6巻のシリーズです。その名前は知らなくても似たような姿だったり、似たようなことをしでかしたりする妖怪は知っていたりして、人間の知覚というのは、似たようなものなのだなあと思ったり。同じような妖怪でも、伝わっている対処法が違ったりするのが興味深いところです。(2013.6.3)
 

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2014年5月12日 (月)

『送り人の娘』

(作:廣嶋玲子  刊:角川書店(2010))
 体を離れた魂を、黄泉の国へと送り届ける役目を担う送り人。生まれたその日に両親を失った少女伊予は、送り人の後継者として育てられる。13になった伊予は、ある日死にかけた狼を蘇らせてしまう。それは、送り人には禁じられた技だった。そのために黄泉を統べる大女神の怒りを買い、いっぽうで、よみがえることで永遠に生き続けようとする猛日王に狙われることに。追い詰められた伊予は、生き延びることができるのだろうか。
 年老いた送り人が後継者を探すところから始まった物語は、思わぬ展開を遂げていく。死、蘇り、力、復讐、赦し、再生。伊予は、望んだわけではない運命の流れに放り込まれ、溺れそうになる。その流れを泳ぎ切る助けをするのは、彼女の魂に惹かれたものたちと、その魂を彼女の中に育て上げた真由良への愛だ。大昔の神々の諍いのとばっちりともいうべき理不尽な目にも遭わされ、なぜ伊予がそれに立ち向かわなければならないのだという場面もあるが、伊予はあきらめることなく、なすべきことを考える。その強さがなければ、そもそも送り人にもなれなかったのだろうが。
 物語の流れに対してラストが軽い気がしないでもないが、世界がしっかり作り込まれた作品として、評価できる。この作者の世界をもっと読みたいという気にさせる作品だ。(2013.9.15)
 
 

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2014年5月10日 (土)

『死のほん』

(作:ペニラ・スタールフェルト  訳:川上麻衣子  刊:小学館(2010))
 
 死とはどんなものか、どんなことなのか、いろいろな言い方で語った絵本です。死がどんなものか、はっきりかわっていないこと、いろいろなとらえ方があることを決めつけることなく語っているところに、好感が持てます。問題は、どういうタイミングで読めばいいのかわからないところ。私はここ数年近い身内を亡くしていないおとなだけど、こどもだったら? 近い人を亡くしたときに慰められるのか、そういうことがある前に、心の準備として読んで置いたほうがいいのか。たぶん、悲しみが消えないでいるときかな……(2013.3.19)
 
 

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『あひるの手紙』

(作:朽木祥  絵:ささめやゆき  刊:佼成出版社(2014))
 
 ある日一年生のクラスに届いた手紙には、「あひる」とだけ書かれていた。24歳でひらがなが全部書けるようになった「けんいちさん」が、一年生のみんなと文通を希望しているのだという。そこでみんなは、しりとりになる返事を出すことにした。絵を添えて。すると、「けんいちさん」からもしりとりの返事が。
 「ゆっくり、ゆったり、大きくなった」けんいちさん。けんいちさんのチャレンジと、それを支える人々。明るい楽しいお話に込められた優しさが、胸を打つ。(2014.5.9)
 
 

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2014年5月 8日 (木)

『道を視る少年(上・下)』

(作:オースン・スコット・カード  訳:中原尚哉  刊:早川書房(2014))
 罠猟師の息子リグは、たった一人の身内だと思っていた父の死の間際、母と姉が生きていることを知る。父の「姉を探せ」という遺言にしたがって旅に出たリグは、自分が追い落とされた王家の王子かもしれないこと、いろいろな勢力が自分の生死に関心を持っていることを知る。リグには、人が通り過ぎた跡を見ることができるという特殊な能力があった。そして、幼馴染みのアンボの力と姉の力を組み合わせ、リグは逃げ出す。リグは生き延びることができるのか、そして、この星に隠されている真実にたどり着くことができるのか?
 リグ、アンボ、そして、リグの姉パラムの持つ能力の説明に筋が通っているのか今一つ理解できないのだけれど、それを差し引いてもおもしろい。各章の冒頭に出てくる移民船の様子とリグの物語がどう関わるのか、だんだんに見えてくるのだけれど、ネタバレ(割れ?)にみえるところも、作者の計算のうちなのだろう。読者が先読みしたことをどう裏切っていくのか、書き手の手腕の見せ所だろう。まだまだわからないことが多いうちに残りのページが少なくなっていくと思ったら、本書はシリーズの一作目で、まだまだ続くらしい。訳者あとがきの様子ではまだ邦訳の出版は決定していないようだ。ぜひ、早く出して欲しい!!(2014.5.8)
 

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2014年5月 6日 (火)

おめでとう『がむしゃら落語』!

所属同人の先輩、赤羽じゅんこさんの『がむしゃら落語』(刊:福音館書店)が、第61回産経児童出版文化賞のニッポン放送賞を受賞しました!

(産経児童宇出版文化賞 発表ページ→http://www.eventsankei.jp/child_award/)

赤羽さん、おめでとう!!

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2014年5月 5日 (月)

『ルイスがたべられちゃったひ』

(作:ジョン・ファーデル  訳:tupera tupera  刊:ブロンズ新社(2014))
 弟のルイスがべろべろかいじゅうゴクリンに飲みこまれちゃっても、お姉ちゃんのサラはあわてなかった。ゴグリンは丸呑みするだけだから、急げば間に合うってわかってたんだ。だけど、サラが追いつく前にゴクリンはムシャドンに食べられちゃって……
 次々出てくる怪獣と、追いかけるサラの乗り物がとっても楽しい絵本です。オチも効いています。(2014.4.24)
 
 

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2014年5月 3日 (土)

『伝説のエンドーくん』

(作:まはら三桃  刊:小学館(2014))
 清水先生が採用された市立緑山中学校には、なぜかあちこちに「エンドーくん」に呼びかけている落書きがあった。「エンドーくん」は、緑山中の伝説のヒーローなのだという。「エンドーくん」の落書きが消されないわけを、清水先生も実感することになる。そしてほかの先生たちも。
 短編連作の形をとっていて、一つ一つの話の主人公は、なんらかの悩みを持つ先生たちです。ヤングアダルト扱いの本なのに、主人公は先生? 怪訝に思って読み進め、わかりました。今はおとなの先生にも中学生のときはあったし、中学生もやがておとなになるのです。それをつなぐのが、「エンドーくん」なのですね。作者にはきっと心に残る先生がいたのだろうなと思って最後まで読んだら、あとがきの中で触れられていました。学校の先生であれ、習い事の先生であれ、なにかを残してくれる先生に出会えた人は幸せです。そういう人には特に響く物語だと思います。(2014.4.26)
 
 

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