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2014年3月17日 (月)

『蝶々、とんだ』

(作:河原潤子  刊:講談社(1999))
 
 六年生のユキは、「ヤセマジメ」なんてあだ名されちゃうような女の子だ。そんなユキが、はずみで早退してしまった日に迷い込むようにして入った貸本屋で、おばあさんから古びたマンガ本をもらう。なぜか虫になってしまった男の子の話だけれど、最後のページがない。虫になって、ベッドに転がっているだけの男の子と、寝たきりになってしまったおじいちゃん。おじいちゃんは、「男の子は蝶々になって飛んでいったのだ」と言ってくれたけど……
 主人公の心の痛み。この気持ちは、知っていると思う。立ち向かわなければならないことから逃げてしまった、あのときの痛み。だれもが戦えるわけじゃない。だけど、戦わないからって、わかってないわけじゃないんだ。立ち向かわなければ、あとで自分がつらくなるっていうこと。ただ、あとちょっとだけ待って欲しい。自分で歩き出すまで。自分で歩かなきゃいけないんだって、自分でわかるまで。さなぎのまま、ひからびて死んでしまう虫もいる。だけど、まだ、だめなんだと決めつけないで。からのなかで、蝶になりかけているのかもしれないから。きっと、飛び立つから。(2013.1.21)
 
 

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