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2006年10月28日 (土)

『レイチェルと滅びの呪文』

(作:クリフ・マクニッシュ  訳:金原瑞人  刊:理論社)
 レイチェルは、弟のエリックともに魔女ドラグウェナが支配する暗黒の星イスレアにさらわれてしまう。ドラグウェナはレイチェルの持つ強力な魔力を目覚めさせ、自分に協力させようとしていた。一方、かつてレイチェル同様ドラグウェナにさらわれてきた人々は、レイチェルを伝説の「希望の子」と信じ、ドラグウェナのもとから救い出した。「希望の子」は、自分たちをドラグウェナから解放する力を持つのだ。自分は、本当に「希望の子」なのか? そして、エリックの持つ、未知の魔法とは?
 自分もドラグウェナ同様、邪悪な魔女に変身してしまう恐怖と戦いながら、それを乗り越え、たとえ自分は魔女になってしまうとしても、そのぎりぎりまで人々を救うために力を振り絞る。
 邪悪な魔女に追われることも恐ろしいけれど、自分もその魔女になってしまうかもしれないのだ。外側の恐怖と戦うだけでもたいへんなのに、自分の内側にその敵が入り込んでいる。自分が恐れ、嫌悪しているものに変わってしまうかもしれない。そうなったら、今はたいせつに思っている人たちを、喜んで踏みにじり、苦しめてしまう。そのくらいなら、いっそ、自分が今のうちに死んだほうがいいのではないだろうか。でも、自分の持つ力で戦うことができるなら、たいせつな人たちを守ることもできるかもしれない。自分に、魔女に飲み込まれない強さがあれば。
 エリックの魔法は、ちょっとご都合主義のような気もするけれど、それで大どんでん返しというわけでもないから、まあ、いいか……

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