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2004年10月26日 (火)

ささやかな善行気分

 どこの図書館でも多分そうだと思うのだけれど、いつもいく図書館には、返却された本を置いておく棚がある。だれかが借りた本、ということは、だれかにとっておもしろい本だったのだろうと、そこから本を選ぶこともある。私がそう思うのだから、だれかが私が返した本のことを、そんなふうに思って借りてくれることもあるかもしれない。
 だから、書庫に埋もれていた本を借り出したとき、なんだかいいことをしたような気がするのだ。
 この図書館では忘れられかけていた本を、人の目に触れるところに呼び戻す。だれかに、おもしろい本を教えてあげられる。その上、その本の寿命を延ばしてあげることができたかもしれないのだ。長く借り手のいない本は、処分されてしまうようだから。
 だから、好きな作品は、実は持っていても書庫から呼び戻したいような衝動にかられる。それだけのために借りたことはないけれど。
 でも、実家にある本を取りに行くなら、図書館にリクエストしたほうが早いから、本当に必要なとき持っている、といっても手元にない本を借りることはある。そうして借りた本は、やっぱり自分の本とは違う。そっくり同じはずなのに、なにか違うのだ。
 ラベルが貼られたり、スタンプが押されたりしているせいだけではない。なんというか、手触りとかにおいとか、まあ、雰囲気のようなものだ。
 思い出してみると、学校時代の教科書がそうだった気がする。みんな同じ本を持っているのに、なんとなく見分けがつくのだ。思いこみのせいかもしれないけれど。

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